これから始める大学受験の準備【第5弾:参考書選び・選び方】

志望校がある程度固まり、過去問や模試で今の実力を把握することが出来たら、あとは学習計画を立てて実行するのみです。目標と現状が明確になっていれば、足りない要素を補うことで志望大学合格への道が開けます。
しかし、学習計画を立てる上で、事前に使用する参考書に目星を付けておいた方がいいでしょう。本記事では、その理由や参考書の選び方について解説します。

学習計画を立てる前に参考書を選ぶべき理由

スケジュールを立てるとき、何をどれくらいの期間でやるのかを参考書無しで考えるのはとても困難です。各科目や分野をしっかり理解出来たかどうか、判断する指標を用意することも出来ません。

参考書の問題数やページ数でスケジュールを立てやすくなる

参考書があれば、「何日で一周終わらせる」という計算の下、日割り計算でスケジュールを作ることが可能です。また、参考書を一冊仕上げれば、その参考書の分野は網羅したことになり、理解度の指標にもなります。
例えば、Ⅱ・Bの内容を完全網羅出来る理想の300問が載っている数学の参考書があるとします。1日10問解いて1ヶ月で1周する、出来なかった問題に絞って次の1ヶ月でもう1周、それでも出来なかった問題を0.5月で対策。こう考えると、「Ⅱ・Bを完璧にするのに2.5ヶ月」と指標を得ることが出来ます。また、「2.5ヶ月後にⅡ・Bを完璧になる」という理解度の指標を得ることも出来ます。
このように、参考書を軸として学習計画を立てることができるため、事前に使用する参考書に目星をつけておいた方が良いです。

参考書の目的を考える

参考書
参考書を用意するとき、手あたり次第に購入してはもったいないです。これまでに確認した実力や志望校合格に必要なレベルから、「何を学ぶのか」「何のために参考書が必要なのか」を明確にしましょう。
例えば英語の場合、単語・文法・熟語・長文など、学習すべきジャンルが多く、単語を覚えるための参考書なのか、長文読解力を上げるための参考書なのかで、購入すべき参考書が全く違います。
各科目で分野を確認し、どの能力を上げる為に参考書が必要なのか、目的を明確にしましょう。

まずは直近の目的のみ考える

「将来的に必要になる」という理由ですぐ参考書を購入するのはやめましょう。目星をつけておくことは大切ですが、まずは目の前の課題や目的に合わせて参考書を選び、その一冊を完璧にしてから次の参考書を再検討しましょう。

最初に決めた参考書を最後までやり抜く・繰り返す

複数の参考書を摘まむように使うのはNG!一冊を完璧になるまで何周もする

複数の参考書を並行して使用すると、多くのデメリットが生じます。

【複数参考書並行のデメリット】

・スケジュールが立てづらく、入試までに必要な学習を網羅しづらい
・何がどこまで出来るようになったのかわからない
・やり切った安心感や自信を持てない

逆に、一冊を繰り返し、完璧にするメリットは大きいです。

【一冊を繰り返し、網羅するメリット】

・スケジュールが分かりやすい
・完璧にしたとき、参考書の目次の内容は網羅したことになる
・その科目、分野に自信を持つことができ、次の学習に進みやすい

前述の通り、参考書の魅力は「スケジュールや、各科目や分野をしっかり理解出来たかどうか、の指標になる」ということです。複数併用してしまうとこの強みがなくなり、参考書を利用する魅力がなくなってしまいます。

一冊の参考書の目次立てを把握するまでやり抜く

質の良い参考書でも、それを自分のものにするためには、やみくもに繰り返しても点数に繋がりません。一冊の参考書の目次立てを把握し、どの内容がどこに書かれているか、頭の中で検索出来るくらい自分のものにすることも重要です。

入試では、せっかく学んだ知識を頭の中で整理出来ているか、試験中に頭の中の知識をいかに早く正確に取り出せるかが鍵です。そのための一歩として、参考書を目次立てて内容を把握することが、大いに助けとなります。

また、二冊目に進む場合も、新しい参考書と過去の参考書との繋がりを意識することが大切です。分野同士の繋がり、難易度の発展性を自分なりに整理して、気になった時には過去の参考書をさっと開いて復習出来るようにするまで、一冊ずつ丁寧に使いましょう。

同科目内で複数冊必要な場合もある

一冊に絞る、というのは「英語を一冊に絞る」ということではありません。英語の学習には一問一答形式の参考書や英単語帳など、複数必要になります。
ここで言う一冊に絞るというのは、「英単語帳は一冊に絞る」ということです。同じ目的で使用する参考書は一冊に絞りましょう。

志望校が大きく変わった場合のみ変更してもよい

模試の結果や学習進捗から、進捗不足でどうしても志望校を下げる場合は、レベルの高い参考書を使っても効果が薄くなってしまいます。目標の大学のレベルに合った参考書や、今の自分の実力に合った参考書へ切り替えましょう。
志望校を釣り上げる場合は参考書を変更しないことをおすすめします。いま使っている参考書の内容は必要なので、まずはそれを完璧にして、次の参考書でレベルを上げましょう。

参考書の選び方

参考書
参考書といっても数多くあり、どれを選んだらいいか分からないと思います。選び方の指標を紹介します。

過去問や模試の成績から自分のレベルに合った参考書を探す

必ず段階的に参考書を選ぶ必要があります。理解が出来ていない段階で入試演習用の参考書を使っても、問題は解けない上に解説が難しいので、結果余計な時間がかかってしまいます。理解が出来ていないなら、まずは理解を深める優しめの参考書を使うべきです。
逆に、演習が全てすらすら解けてしまうような参考書を使うのも時間の無駄です。ミスを減らす訓練になるかもしれませんが、応用問題で実力をつけながらミスを減らすようにしたほうが効果的です。
現状の学力に照らし合せて、苦手分野は優しい参考書、得意分野は応用系の参考書を選びましょう。

解説が充実している参考書を探す

参考書で最も重要な内容は「解説」です。解説こそが参考書の全てと言っても過言ではありません。どんなに良質な問題が多い参考書でも、解説が充実していなければ意味がありません。
何故かというと、解説が分かりやすければ素早く吸収できるからです。
大学受験の期間は短く、時間がとても貴重です。もし解説が分かりにくかった場合、解説を理解するのに時間を取られてしまいます。時間をかけたのに解説を理解できない場合もあります。それでは勉強になりません。分からない解説を先生や予備校講師にかみ砕いて貰う時間も極力避けたい時間です。
解説が分かりやすい参考書を選び、分からなかったときに解説ですぐ理解し、次に進める状態が理想的です。

教師や合格した先輩からおすすめを聞く

教師や予備校の講師は受験をよく理解していますし、指導過程でたくさんの参考書を見ています。自分の現状を伝え、どんな参考書が欲しいか伝えれば、最適解を貰える可能性が高いです。
また、実際に大学に合格した先輩からおすすめを聞くのもいいでしょう。この参考書を使えば合格できる、という可能性を秘めた参考書を知ることが出来ます。もちろん、能力は人それぞれですから、自分に合っているか確認しましょう。

「定番」を口コミやネットで探す

「定番」と言われる参考書があります。偏差値60台の数学で言えば、「青チャート」や「数学スタンダード演習」などが有名どころでしょうか。
こういった定番の参考書は、合格体験記や口コミにしばしば登場します。志望校の合格体験記を調べて、そこに書いてある参考書を調べて、リストアップするのもおすすめです。
通販サイトでレビューを見て情報を集めるのもいいでしょう。

最終的な購入は、通販よりも本屋で探すのがおすすめ

いまや通販で何でも買える時代ですが、最終的な購入は本屋がおすすめです。数千円のものがほとんどですが、タダではないですし、これから何度も開く参考書なので、現物を確認してから買うのがいいでしょう。

目次で内容を確認出来る

手に取ることが出来れば、中身をしっかり確認することが出来ます。特に目次で、どの分野を強化出来るのかすぐに確認することが出来ます。
事前に対策すべき分野を絞ってあれば、目次を見て買うべきかどうかの判断が可能です。

解説量を確認出来る

解説の重要性を前述しましたが、解説内容を確認出来るのも魅力です。答えだけではなく、何故この解答になるのかを丁寧に説明しているものを選びましょう。

見易い、使いやすいかを確認出来る

これは特に単語帳など、携行して合間に使うような参考書に言えるメリットです。定番である「ターゲット1900」と「速読英単語」を比較しても、単語の覚え方が全く異なります。書店で手に取り、その場で少し使ってみるだけで、良し悪しを感じることができ、自分に合った参考書を選べると思います。

まとめ

受験生にとって、参考書は相棒です。寝るとき以外ずっと一緒になる参考書は安易に選ばず、丁寧に選定しましょう。
医学部受験に向けた参考書選びであれば、私たち四谷メディカルがお手伝い出来ます。
参考書研究に余念のない講師が、担当科目に限らず問題集の長所短所を日々研究し、あなたに最適な参考書をご提示します。もちろん、闇雲に参考書を勧めることは決してせず、1冊をやり込む重要性を日々指導の中で伝えています。
参考書探しや勉強の進め方に不安をお持ちの受験生がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

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