北里大学医学部の受験情報(入試傾向、対策ポイントなど)

北里大学

北里大学医学部の項目別受験情報


2020 年度 募集要項


募集人員 出願期間(必着) 試験日 1次 2次

一般
(地域枠)

約65名 20’12/17~21’1/ 20 21’1/26 21’2/1 or 2/2
(選択)

志願者数(人)


2019 1902
2018 2644
2017 2690

医師国家試験合格率


2019 91.1%
2018 93.3%
2017 87.8%

2020 年度 医師国家試験合格率(新卒)


出願者数 受験者数 合格者数 合格率
129 118 113 95.8%

現役浪人比率


2020 年度 医師国家試験合格率(新卒)


※原則⼊学者による⽐率 (現浪⽐に関して合格者データ換算は 2019昭和、2018⽇⼤ 2017⽇⼤)
(男⼥⽐に関して合格者データ換算は⽇⼤)

●選抜者基準

患者・家族の立場に立って考えることができる思いやりと命に対する畏敬の念をもって医療にあたることができる「人間性豊かで優れた医師の養成(学部基本理念の一つ)」を目的とすることから、入学者の受け入れにおいては、学力試験の結果を尊重することはもとより、将来医師となるべき資質、能力をも含め、総合的な判定による入学者の選抜を基本方針としています。

北里大学医学部入試の傾向と分析


英語

例年大問5問で長文問題が2問で残りは文法・語法問題である。70分の試験時間で全問解くにはスピードが要求される。
長文の内容はそれ程難しくはないが、読む量が多い。内容の一致を問う問題は若干難しい。整序の問題が必ず出題されるので、文法力を固めると同時に論理的に文を組み立てる練習が必要である。また読む長文の量が多いので、普段から精読・速読の練習を積み、集中力も高める必要がある。この大学の問題を解くには特に文法力が必要であるという印象を受ける。

数学

出題傾向

80 分で大問3 問という構成が維持されている。小問4 問程度からなる第1 問は答のみ要求されており、第2 問と第3 問は記述式の解答が要求されている。19 年は例外的に少なかったものの、全体として計算量はかなり多く、80分という時間制限は短く感じるだろう。

小問集合は多くの分野から出題されており、傾向はほとんど見られない。敢えて言えば三角関数と方程式(定数分離) に絡んだ問題がよく出題されている。他大学の大問並の計算量が要求されるものもあるので要注意である。
大問では、毎年のように解析的分野に関する証明問題が出題されている。証明問題のテーマには抽象的関数が用いられることが多く、これは他大学ではあまり見られない傾向で、本学独特のものと言えるだろう。また、小問と同様に計算量が多かったり煩雑であったりするものもある。

対策

小問集合は難しくはないが、計算量が多い。したがって、たとえば『やさしい理系数学』(河合出版)、『標準問題精講』(旺文社)、『スタンダード演習』(東京出版) のような標準的な問題集を一冊選んで、繰り返し解き直し、問題を把握しただけで手が勝手に解き出すくらいまでやり込むことが重要である。『スタンダード演習』には目標時間が設けられているが、この半分程度の時間で答が出せるようになるまで練習しよう。
大問では証明問題が出題されるので、普段から意識していないと手も足も出ない。問題集に移る前に、教科書に載っている程度の基本的な証明はできるようにしておこう。凸性の証明や凸不等式の証明は、抽象的関数のほどよい練習問題である。これらの練習を経たうえで本学の過去問題に取り組めば、恐れることはないということがわかるだろう。

物理

出題傾向

2 科目で100 分、大問3 問の構成である。例年第1 問は5 題程度の小問集合で、第2 問、第3 問は一続きの長大な問題となっている。小問も大問も難易度は標準的で計算量は多く、50 分では非常に厳しい試験である。大問は芋蔓式の失点を防ぐために途中で文字を置き直してくれるという配慮があるが、むしろやりづらいと感じる者もいるだろう。
力学からの出題が非常に多く、近年は小問5 問中の2 問、大問2 問中の1 問が力学であることが続いている。力学の問題は少し難しいものや計算量の多いもの、複雑な設定であるものがあり、読み取り・計算ともに時間を取られる。
熱と言えば熱力学、波と言えば光波に偏った出題のようにも見えるが、2015 年には「比熱」と「弦を伝わる波」から出題されているので、油断はできない。電磁気からは満遍なく出題されている。なお、原子分野は出題範囲に入っていない。

対策

難易度は標準的であって易しくはなく、時間が圧迫気味である。『名問の森』等の標準的な問題集を一冊やり込んで、それぞれの問題の誘導が不要になるまで練習しておくことが大切である。たとえば、20 年の第1 問の問5 に光ファイバーの問題が出題されているが、これは多くの問題集にまったく同じ問題が掲載されているものである。このような問題は3 分以内に解けるようにやり込んでおくのが望ましい。
本学の物理は全問マーク式で、該当するものを10 以上の選択肢のうちから選ぶという形式である。見間違いやマークミスなど悲劇的なミスのないよう、事前に練習しておこう。選択式であるので次元解析の手法を用いて選択肢を減らせることもかなりあるが、全選択肢を検討する時間は全くない。次元解析自体は非常に有用であるが、答が確定するものではないので、頼りすぎないようにしよう。

化学

出題傾向

2 科目で100 分、大問5 問構成である。例年第1 問は8 題程度の小問集合で、計算問題と正誤問題からなる。どちらも少し変わった視点から問われることがあり、理解を伴わない暗記では対応できない。第2 問から第5 問はひとつのテーマに関する様々な事項に答える問題となっている。18 年ごろまでは計算量もあったが、近年は知識問題や読解問題の割合が増え、それに応じて計算量は減った。時間的には少し余裕がある。

問題数が多いため、全範囲から出題されるが、他大学に比べて無機化学からの出題が多い。また、気体の法則や平衡に関する応用問題は頻出である。
近年は説明を読み取って答える問題が出題されることもある。例えば、20 年第3 問の分配係数、19 年第4 問の弱酸の電離平衡、18 年第4 問の実在気体の状態方程式などが該当する。知識の問題ではなく、式の取り扱いに関する問題であることに注意を要する。

対策

難易度は概して基本的であるが、標準的なものも含まれている。『セミナー化学』『エクセル化学』などの基本的な問題集で穴のない学習をした後、『重要問題集』のような標準的な問題集を一冊仕上げれば十分対応できるだろう。
本学がよく出題する正誤問題を苦手とする受験生は多い。そのような受験生からは心のどこかで基本的な問題集について「こんな簡単なものは自分には不要である」と軽蔑している節が感じられる。正誤問題を苦手とする受験生はそのような思い上がりは排し、初心に立ち返って基本問題に取り組もう。それぞれの問題が化学の勉強を始めたばかりの中学生に解説できる程度に理解出来たら卒業である。

文章を読み取って答える問題については、丁寧に読む練習を繰り返すしかない。普段から「~であるから、~である」「~だけを考える」などの文が、文章の流れの中でどのように機能しているのかを考えながら読む練習をしよう。

小論文

〇2019年度

1日目 日野原重明「だから医学は面白い」を読み
問1 タイトルをつける(35字)
問2 著者の「アート」とはどのようなもので、どのようにすれば習得できるか(250字)
問3 医学部入学後に「アート」を習得するためにどのようなことを行いたいか(750字)

2日目 福島智「医と障害―治療されぬ者の視点」を読み
問1 タイトルをつける(20字)
問2 筆者がそう感じる理由(200字)
問3 人間中心の医療のあるべき姿について具体例を挙げて述べる(600字)

90分

〇2018年度

1日目 渡部昇一「知的人生のための考え方」
問1 タイトルをつける(20字)
問2 著者のメッセージ要約(200字)
問3 学問に対する態度、心構えについてあなたが重要と考えることの理由と
具体例を示して述べる(800字)

2日目 里美清一「医者と患者のコミュニケーション論」
問1 タイトルをつける(20字)
問2 著者が医療のツークツヴァンクに重要と考えていることを説明(200字)
問3 患者が医療のツークツヴァンクに陥ったときのあなたの対応を述べる(600字)

90分

〇2017年度

1日目 大杉義正 「新薬アクテムラの誕生」を読み
問1 タイトルをつける(20字)
問2 主題について著者の見解を述べる(400字)
問3 本文で示されている内容を自分の人生にどう生かしていくか(800字)

2日目 桐野高明「医療の選択」
問1 タイトルをつける(30字)
問2 著者の考える「医療の限界」について説明(200字)
問3 超高齢化社会の中で介護の在り方について考えを述べる(800字)

90分

傾向:北里大学は出典資料が、医療関連の内容を題材としている。他医学部と出典が被るときもあり、頻出な題材はチェックしておくとよい。設問自体の難易度はそれほどそれほど難しくはなく、実際に過去問を解いて傾向に慣れておくこと、また可能なら小論文の先生に添削してもらい解法の要点を示してもらうことで、小論文が苦手気味でも大半の受験生は安心度が高まるはず。

面接

スタイル 個人面接
面接官 3人
所要時間 10分

北里大学は2020年度より従来の面接官3人対受験生2人のグループ面接から個人面接に切り替わった。例年おおむね和やかな雰囲気の面接になることが多い。受験前のアナウンスでも伝えられるが、受験生の良さを見つけるべく必然的に面接官も熱心な対応となる印象。

質問内容

  • 志望理由(本学・医師)
  • 北里大学の魅力
  • 北里柴三郎先生について知っていること
  • 医師以外になりたい職業
  • 1分で自己アピール
  • 本学のデメリット
  • 高校生活で頑張ったこと
  • 最近気になるニュース
  • 尊敬する人物
  • 出身地の良いところ3つ
  • 入学してからの意気込みを一言で
  • 併願校について
  • 最近読んだ本
  • 浪人した理由
  • チーム医療に必要なこと
  • 将来何科に進みたいか
  • 家族について
  • 体力はあるほうか
  • 臨床医か研修医か
  • 自分の性格はどうおもうか

 

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