偏差値で比べるなら都市部の医学部の方が高い
大学選びの基準になるのが偏差値です。地方と都市の医学部ではどのくらい偏差値に差があるのでしょうか。
東京で代表的な医学部は東京大学理Ⅲ(偏差値79)、東京医科歯科大医(偏差値74)、慶應義塾大学(偏差値74)などが上げられます。関西都市部の医学部では京都大学(偏差値78)、大阪大学(偏差値76)、大阪医科大学(偏差値70)などが上げられます。
都市部の医学部は国公立・私立問わず、偏差値70代の医学部が多く、低くても66ほど。偏差値が高い傾向にあります。
対して、地方医学部は川崎医科大学(偏差値62)など、偏差値が60代前半の大学があり、逆に偏差値70を超えるような大学はほとんどありません。
大学の場所による学費の差はない
都市部だから学費が安い、地方だから学費が安い、などということはありません。
もちろん、私立の場合は大学ごとの学費差はありますが、それは地域・大学の場所に起因するものではありません。国公立については学費は一律です。
都市部・地方、どちらの大学に進んだとしても、大学の場所が理由で学費は変動しません。
一人暮らしによる費用の差は生じる
都市部から地方大学、地方から都市部の大学に進学する場合は、一人暮らしが必要になる場合があります。そうなると下宿費によって費用の差は生まれてしまいます。
地方大学になると、地元の大学であっても交通機関の問題で下宿が必要になったり、車の購入が必要な場合があるようです。
地方だと遊びや息抜きの手段が限られてくる
医学部生は総じて忙しいので、一般的にモラトリアムを楽しむ大学生と同じように遊ぶ暇はありませんが、それでも息抜きは必要です。
息抜きすることにおいては地方大学はやや不利でしょう。車などの移動手段があれば改善されるかもしれませんが、都市部の大学に比べれば遊べる場所が少ないのは間違いありません。
逆に、学業に専念できると考えればメリットとも言えます。
出身の地方であれば地元大学で地域推薦枠が狙える
医学部進学を有利に進める制度として「地域推薦枠」があります。医師の数が都市に集中し、地方が不足しているという偏りを解消するため、地方大学が独自に設定している制度です。地元出身者をはじめ、大学によっては他府県出身者でも条件次第で受験できる場合があります。
試験難易度が優しくなる
受験時に待ち受ける二次試験の内容は大学ごとに異なり、トップクラスの医学部となれば難易度も最上級です。このとき地域推薦枠では二次試験が免除され、センター試験や小論文、面接で合否を決定。受験者数が少ないため倍率も比較的低く、合格率がアップします。
学費の優遇がある
地域推薦枠の学生を対象とした、給付型奨学金を受けることができます。これは日本学生支援機構の奨学金などとは違い、一定条件をクリアすれば卒業後の返還が免除される奨学金です。
就職先が限定される
給付型奨学金の返還免除を受けるには、卒業後、医学部のある都道府県内の病院、または大学指定の医療機関で一定期間勤務をすることが条件となります。したがって、経済的な問題で地域推薦枠の給付型奨学金を利用したい場合、一定期間就職先が限定される点に注意しておきましょう。
就職は都市部医学部の方がやや有利か
都会のほうが将来の就職先の選択肢が豊富
医学部に進学後、気になるのが将来の就職先です。就職がしやすいかどうかは、選んだ医学部の影響を少なからず受けることになるでしょう。
医学部卒業後は「大学病院に残る」、または「学外の病院に勤務する」かのどちらかを選ぶことになります。もし地方の医学部であっても、出身大学の知名度が強いエリアならば就職活動を有利に進めることが可能です。都市部の大学の場合、大学のブランド力はもちろん、就職先となる病院の選択肢も豊富なため、自分の希望に合わせた就職活動を展開できます。
地方でも有力大学であれば拍がつく
卒業大学の知名度は就職先にも影響を及ぼします。たとえば地方であっても旧帝大の医学部を卒業すれば、そのエリアでの知名度は抜群。就職活動はもちろん、その後の勤務先での仕事も有利に進められるでしょう。
一方で地方によっては、都道府県内に医学部が国公立1校のみというところも少なくありません。難易度も低くなる傾向にあるため、都市部からの受験者も珍しくないでしょう。ただし都会の大学病院や大病院に就職するのはハードルが高くなります。
まとめ
大学の場所によって医師になるキャリアに極端な差がつくことはありませんが、長い目で見た人生設計や、国公立か私立か、下宿費用が出せるのかなどの個々人の状況による要因で、都市部か地方かを選択することになるでしょう。
大学選択で都市部か地方か悩んだ場合は、どこで働きたいかを重視するのがいいのではないでしょうか。
医師になるために、まずは医学部に合格することが重要なので、大学の場所にこだわりすぎないことも大切です。
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