読解力と計算力を鍛える
計算力について
読解力と計算力を徹底することがまずは重要である。読解力は全ての科目の要であることは言うまでもないし、一部の一般選抜や多くの学士編入試験で数学が課されないことも事実ではあるが、英語・理科・小論文の試験の内部でも高校1年レベル位までの算数・数学の内容が課されることは言うまでもないし、特に一般選抜を中心に据えて考えるのであれば、数学ができる方が受験できる医学部の数が圧倒的に増えるので、何はなくとも計算力の底上げから開始するに越したことはないであろう。具体的な教材としては高校レベルの問題集でも中学レベルの問題集でも、あるいは百ます計算でも何でも構わないが、とにかく「武士は喰わねど高楊枝」の様な態度を厳に慎み、これまでの人生を顧みて、算数・数学が決定的に苦手になってしまった時点、あるいは苦手になった訳ではないものの学業や仕事の関係で殆ど触れなくなってしまった時点の内容からスタートすることが肝要である。最初から無駄に難しいものに取り組むよりも、少々の困難を伴いつつも自力で何とか取り組めるレベルの教材にしっかり取り組んで、8割方はできる様になってから、より上位の教材に移ったほうが寧ろ効果的に学習を進められると言える。これまで計算力の話しかしていないが、受験する医学部によっては数学の試験でさえ数学的な思考力までは殆ど要求されず、ほぼ計算力だけで合格点が取れるケースもあるので、「自分は文系脳だから」と卑屈になる必要はなく、とにかく手を動かして計算力を日々高めていくことを重視してほしい。勿論計算力が向上すれば数学的思考力も自ずと向上することも論を待たないが。
読解力について
続いて読解力の向上については、ある程度の難しさの文章を毎日欠かさず読み続けることが極めて重要であり、その為の最適な教材は新聞である。今や新聞を購読していない家庭も少なくないが、ネットニュースよりも重要な記事を探しやすく、誤字・脱字も以前よりは多くなっているものの、ネットニュースと比べれば大幅に少なく、表記面でも一応の模範にはなるので、なるべく紙媒体の新聞を購読し、社説も含めてしっかり読み込んでいくことを強くお薦めしたい。勿論、腕に覚えのある人は英語など日本語以外の言語で書かれた新聞を購読するのも読解力向上には役立つが、日本国内の医学部を志望する限り、最も重視されるのは日本語の読解力なので、縦令それが英字新聞であろうともサブと位置づけて、日本語の新聞の読解の方に多くの時間や労力を割くべきである。尚、新聞を読み込んでいれば、自ずと時事知識が身につく結果、面接・小論文は勿論各教科の時事的な問題への対応力も上がるので、一石二鳥どころか一石三鳥・四鳥位にはなるであろう。
(第2弾へ続く)