社会人・他学部の方向け!ゼロスタートからの医学部合格最短メニュー・必勝法 ~第3弾~

退学や休学をするべきか否か

前回は主に社会人の医学部再受験のための勉強の方向性について記したが、それでは現役大学生が医学部を再受験しようと思い立ったら具体的にどの様な行動をとるべきであろうか?
退学や休学の後、受験勉強に専念すべきだと考える人も少なくはないかもしれないが、私は必ずしも退学や休学を奨める気にはならない。何故ならば医学部入試は現状において極めて難易度が高く、かなりインテリジェンスの高い人であっても、数年程度受験勉強に取り組んで合格出来ないケースに出会う事も珍しくはないからである。
縦令受験勉強が長引いたとしても、一度大学を卒業していれば、あるいは大学に籍があれば精神的にも追い詰められずに済む面も少なからずあろうし、金銭的に困難になる事があったとしても、大卒者や大学生を対象とした求人にも応募することが出来、比較的高い賃金で働ける可能性も高いので、受験勉強に割く時間を余り削らずに済む事も大きなメリットであると言えよう。

一方で大学を中退してしまえば、その先にどれ程高い志があろうとも今いるのは一人の高卒者に過ぎず、医学部に入れなければその身分がいつまでも続くというプレッシャーに苛まれるのみならず、何か特別なスキルでもなければ高い賃金で働くことも困難なので、何としても現状の資金が尽きる前に合格しなければならないという更なるプレッシャーを背負って受験勉強を続ける事となる。
もっとも追い詰められた方が良い結果が出せるという人もいるので、そういった人にとってはこの上ない高環境であるという評価も出来ない訳ではないが、定期テスト等とは次元の違う長丁場の試験大対策において、精神面・経済面での重圧を受けながら取り組む方が望ましいと本気で考える人がいるのだとすれば、その様な人は資格や学歴な一切なくともその度胸とストレス耐性だけで、何らかの分野で超一流になれる事は想像に難しくないので、除外して考える事にしたい。医師を志していても、皆心は弱いものでるし、心が弱いからこそ、将来は病める患者さんに寄り添う事が出来るのであろうから、現在通っている大学という名の「保険」を残しておいてよいのだと私は考える。

休学もお奨めしない理由

「保険」ならば今いる大学は休学にしても良いのではないかと考える人もいるかもしれないが、正直私は休学も余りお奨め出来ない。
理由は簡単で、どこの大学でも無制限に休学を継続出来る訳ではないし、私大を中心に、休学中は在籍している事以外に何の恩恵もないにもかかわらず、相応の費用を徴収される事も少なくない為である。従って休学期間のある内に合格せねばならないというプレッシャーから免れる事は出来ない上に、通ってもいない大学に費用を支払うのも、人によってはかなりのストレスとなるであろう。
更に医学部入試の面接時にこれまでの経歴を問われる事は、再受験生にとっては避けては通れぬ道ではあるが、その際に如何にも再受験が目的といった感じで、長々と大学に在籍しているのが発覚するのも、決して心証の良いものではない。やはり大学での活動を適度にセーブしながらも、医学部再受験の為の勉強と大学での勉強を並行して継続する位の積極性は見せつけたい所である。そして両立の秘訣は、次回お伝えしたいと思う。

(第4弾へ続く)

執筆:佐藤雅巳 講師(東大理Ⅲ)

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