第3弾で過去問での実力確認について紹介しましたが、もう一つ、受験生なら誰でもやる実力確認方法として模試があります。
第4弾模試での実力確認について紹介していきます。
模試を受ける意味は自分の位置を知ること
模試を受ける意味を理解している受験生は少ない
受験期になると受験生なら必ず模試を受けると思います。しかし、その意味や結果でもらう数字の価値を理解している受験生はあまり多くありません。多くの受験生が「偏差値が上がった!」「偏差値が下がった、、、」程度の感想しか持たないものです。
受験動機も「学校で実施されるから」「受験するならやっておくべきだと思って」というような動機の受験生が多いのは事実です。
時間やお金を使って受験するわけですから、結果から得るものがないともったいないです。
模試は現状の位置を知ることができる
模試は「他の受験生と比較した際の相対的な位置」を知ることができます。模試を受けることによって、自分の現在の学力が他の受験生の中でどの位置にいるのかが分かります。
同じ志望校を持つ受験生と比較した際に、自分がどの位置にいるのか分かる為、上から数えた時に自分が合格圏内にいるかどうかも分かるのです。
模試の結果は合格を保証するものではない
模試はライバルになる受験生と比較できますが、合格を保証する数値をもらうことはできません。模試で志望校A判定でも落ちることはありますし、E判定でも合格することがあります。
余談ですが、筆者はC判定で教師から厳しいと言われた大学に合格しました。
模試で志望校を記載すると思いますが、その模試で同じ志望校を記載した受験生が、そのまま同じ大学を受験する確証はありません。その時の受験生より多いかもしれないし、少ないかもしれないのです。さらに言えば、模試を受けていない受験生もその大学を受験するかもしれません。
「その模試を受けた受験生との比較」「その模試を受けた同じ志望校の受験生との比較」の情報であることを認識しておきましょう。
模試の問題と入試の問題は傾向や質が異なる
模試は典型的で基本的に良問であることが多いのに対し、大学の入試問題、特に医学部受験は大学によって問題傾向が千差万別です。「悪問」と呼ばれるような、ほとんどの受験生が解けないような問題や、作成者の得意分野で大学レベルの内容だったりと、難解なものも含まれます。
模試で高得点を取っているからと油断せず、志望校の過去問対策をしっかり行うことも大切です。
採点者が必ずしも信用できない
マーク式なら問題ないですが、記述の添削に関しては、アルバイトの学生など、模範解答以外の解答に対応できないケースがあります。
数年前、数学で整数の問題において、旧課程では指導要領に入っていなかった合同式を用いて解答した生徒の答案が軒並み不正解になって返ってきたことがありました。これは、採点者が新課程の指導要領に対応できていなかったからでしょう。
点数に一喜一憂するだけではなく、疑問に思う採点に関しては、高校や予備校の先生など、信用できる先生に自分の答案をチェックしてもらうことをお勧めします。
偏差値60を超えていても安心できないケースがある
数学など、いくら点数はそれなりに取れていても、一つの問題の(1)(2)のみ正解で、完答出来ていない場合は要注意です。
これは、小手先の学習しか出来ておらず、知識の定着が甘かったり、応用力に乏しかったり、しっかりと考える力が養えていなかったりする可能性が高いです。
難関校や医学部の入試問題は、小問だけ取れても合格には至ることが出来ません。
偏差値より、大問1問完答出来ているか、ということを評価の一つとして念頭に置きましょう。
偏差値について必ず理解しておきましょう
偏差値とは平均より上にいるか下にいるかの指標
受験生であれば「偏差値」という言葉を何度となく耳にすると思いますが、その本質を理解できているでしょうか。
偏差値とは、平均値を50とした場合、その模試を受けた受験生の中で自分がどの位置にいるのかを示す指標です。平均点はテストによって上下しますが、偏差値は50が平均値で固定です。
「偏差値〇〇の大学」などと言われることがありますが、あれは「合格者のほとんどが、様々な模試の中で偏差値〇〇付近にいた人たちである大学」ということです。
偏差値の上下だけで一喜一憂してはいけない
前述の通り、偏差値は受験生との相対値で、かつその模試を受けた受験生内の限定的な環境から生まれています。この偏差値だけを取って一喜一憂していては、本質的な学力向上に繋がりません。
偏差値が上がったからと言って、学力が向上していない場合もあります。逆に、偏差値が下がっても学力自体は向上していることもあります。
例えば、ある模試で問題の偏りが激しく、平均点がかなり低かったとします。その時偏った問題の対策ができていた人は劇的に偏差値が上がる可能性があります。逆にその分野だけ学習が間に合っていなかった受験生は偏差値が平均を下回るかもしれません。
上記は例にあげた模試の中の結果でしかなく、本質的な学力で他の受験生に劣っているかは定かでないのです。ここで重要なのは、「この模試で出た問題ができたがどうか」で、できた人は別の分野の学習に移行して、できなかった人は補填をする必要があるということです。
複数の模試を受けることで偏差値を正確な位置情報にできる
複数の模試を受けることで、偏差値の価値を高めることができます。
複数受ければ、より多くの受験生とより多彩な問題で比較ができるので、自分の位置がどのあたりなのか正確に分かるようになってきます。
受験者数の多い大学を受ける人ほど、偏差値の意味は強さを増すので、可能な範囲で模試を受けて偏差値を確認していきましょう。
模試の特色を理解しておきましょう
多くの受験生は模試の特色を理解せず、なんとなく受けていると思います。その模試がどんな物が理解しておけば、結果から何を反省すればいいか分かりやすくなります。ここでは代表的な模試の特色をご紹介します。
■河合模試
最もスタンダードなレベルの模試。一般的に受ける模試と河合塾が行っているマーク・記述模試があります。模試を初めて受ける受験生や、どの模試を受けたらよいか悩んでいる受験生はまず河合塾の模試を受けて見ることをおすすめします。
■駿台模試
駿台模試は、河合模試よりもレベルが高いです。上位の大学受験を考えている受験生におすすめです。偏差値60代からの大学や、医学部などの受験を考えている受験生はぜひ受験してみてください。受験者層も上記大学を狙う受験生なので、実力判定が大変有意義です。
あくまで情報源として利用して、受けすぎない
模試は情報源としてとても重要です。苦手分野も分かるし、相対的なレベルも確認できます。
しかし、あくまでも試験です。情報源として利用しましょう。模試の対策や準備、模試自体にばかり時間をかけても学力は伸びません。
模試を受けて結果を確認し、復習を実施して、学習計画を見直す、そして志望校合格を目指す。目的が模試でいい結果を出すことではなく、志望校合格であることを念頭に置きましょう。
まとめ
過去問、模試で実力が分かったら、あとはできないことをできるようにしていくだけです。定期的に実力確認をしながら、実力をつけるための学習をしっかり積み上げていきましょう。
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