医学部受験で小論文・面接試験が課される「真」の理由⑤

試験日程重複解消の手段

前回は私立医学部の2次試験同士、或いは2次試験と実施時期の遅い1次試験が重複すると思っても、2次試験日程の自由選択制度を活用すれば、重複を回避しうる事を見てきたが、全ての私立医学部で2次試験の日程が自由に選択出来る訳ではないし、選択出来る医学部であっても選択の幅は決して大きい訳ではない。そこで更なる日程重複解消の手段、言わばウルトラCについて今日は見ていきたいと思う。

どの様な根拠で試験日程は決まるのであろうか?

2次試験の日程が2日以上あるものの受験生に選択の権利はなく、大学が一方的に受験生各人の試験日程を決めてしまう場合、どの様な根拠で試験日程は決まるのであろうか?
勿論これは入試に関連する業務の一環であるから、大学側から根拠が明確に示される事は決してないであろうが、実際の受験生であれば大凡推測する事は可能であろう。
やはり1次試験の出願順か、氏名の五十音順で日程が決まるケースが多いのではないだろうか。

1次試験の出願順なら

前者であるとすれば出願期間が始まってすぐに出願すれば2次試験の初日が試験日として指定される可能性が高くなり、一方で出願期間の終了間際に出願すれば2次試験の最終日が試験日として指定される可能性が高くなる事は容易に想像出来よう。
もっとも1次試験の合格者が特定の試験番号に偏った場合に読みが外れることもあろうし、3日以上2次試験の日程が用意されているケースで初日と最終日以外の受験日を意図的に誘導する事は極めて難しいであろうと考えられる上に、最終日の受験を狙って出願締切日ギリギリに出願しようとした結果、結局出願が間に合わなくなる事もあり得る(従ってオンライン出願であれば出願締切時間の間際であってもスムーズに出願出来る様にネット環境を万全に整えておく事が必須であるし、従来の紙媒体による出願であれば出願書類は必着扱いか、或いは当日消印有効として扱われるかをしっかり確認する必要がある事は言うに及ばず、出願期間の最終日に限り出願書類を大学に持参した上で出願が出来るというケースもあるので、安全に出願出来、なおかつ可能な限り出願時期を遅くする手段を模索せねばならないと言える)ので、不確実性やリスクもそれなりにはあるものの出願時期によって希望通りの2次試験日程を獲得出来る可能性が高まるという意味で、試験日程の重複回避の為の有効な手段であると言えよう。

氏名の五十音順なら

それでは後者、つまり五十音順で2次試験を受験する順番が決まる場合はどうであろうか? 自分の名前を五十音順で考えた時に特に順番が早い人や遅い人にとっては2次試験の日程が予測出来るのでそれなりの恩恵があると推測出来る一方で、その他の大多数の人にとっては何の恩恵もないと考えてしまうかもしれないが、実はその様な事はないのである。何故ならば苗字を変える事により2次試験日程をコントロール出来るからである。
皆さんの周りにアイウチさんやワリサワさんの様な五十音順で考えた時に順番がかなり早い、あるいは遅い人がいたとしよう。その様な人達にいざという時に備えて婿・嫁・養子・養女等にしてもらえないかと予め相談しておくのである。そして入試スケジュールを確認した結果、入試日程の重複回避の為に苗字の変更が不可欠だと考えられる場合は出願前に戸籍上の苗字を変更すれば良いのである。「何もそこまで……」と思う人もあるかもしれないが、そう思った人はこの記事の冒頭を読み返して欲しい。今回紹介するのは試験日程重複回避の為のウルトラC(何だか昭和の香りがする表現ではあるが)なのであるから、まだまだウルトラCと呼ぶにはパンチが足らない方策だと批判される事はあっても過激過ぎると批判される言われは全く無いのである。それはともかくとしても、医学部を目指す皆さんにとって名前、特に苗字がそれ程大事なものなのかどうかは一度しっかり考えて欲しいと私は真剣に思っている。

少々脱線気味ではあるが、医学部生になった後も重要な視点なので、次回もう少し掘り下げて見ていきたいと思う。(続く)

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