この5年程、社会人の医学部志望者が増えてきています。
私が昨年度まで受験アドバイザーをしていた予備校でも昨年までの5年間で毎年5~10名前後の社会人の方が入学してきましたが、成果は総じて良く、多くの方が1年ないし2年で医学部に合格しています。中には現役の弁護士の方で医師になりたいという方も来られたこともありました。
従来は医学部といえば、地元の超秀才か病院の後継者が目指す場所という風潮がありましたが、ご承知のように現在では様々な理由で多くの受験者が医学部を受けるようになりました。
社会構造の変化や経済の将来的不安や不透明感という背景があり、加えて、多くの社会人の医学部合格の成功体験が、一度は医師を志したものの諦めて社会に出た方や、医師という職業に興味を持った方などの意欲を後押ししているのだと思います。
日本の少子化は深刻な社会問題となっていますが、大学運営においても、高校卒業後の上の進学先という従来型の社会通念が生涯学習という概念の中で変わりつつあります。
政府は、生涯学習の中の重要な役割を大学に期待しており、高校卒業者の減少を社会人向けの講座や入学試験方式で社会人学生を広く集め学生隊員の充足率を安定させるように向けさせようとしています。
多くの大学でも社会人の入試制度を開設していたりもしているものの、実態はまだまだ、大学フロントと現場の教員たちとの意識に大きなずれがあり、大学によっては、大胆な社会人入試制度を謳いながら合格者は連携している海外の大学からの留学生のみ、社会人は全員不合格にするという情けない結果を晒している大学すら存在します。
医系大学の社会人受験生への理解度は?
こうした中で、医学部は比較的、社会人に理解があるという印象を私は持っています。
これは、大学によっても違いはありますが、社会人の医学生は成績が良い場合が多いという成果も影響しているようです。
冒頭の予備校での話に戻りますが、私は多くの社会人の医学部合格を応援してきましたが、その結果が何故良いかを説明したいと思います。
大きくは2点あります。
一つは、社会人という時間的制約が非常に限られている立場だからこそ、受験勉強の時間配分と、「何をやり、何を捨てるか」という判断が重要であることです。これで合否を決めてしまうといっても過言ではないでしょう。
この、「やる、捨てる」は「いつの受験をしたいか?」という本人の希望を聞いた後で、熟練したプロによる厳密な計画を立てています。
もう一つは、医学に生涯を注ぎたいという熱意と医師としての適性を願書と面接で印書深く与える作業があります。
私はこの2点のそれぞれの社会人の方の希望や目標に沿って綿密に進めてきたことが、医学部合格の結果につながったと確信しております。
今、医学部進学を考えている社会人の方はこの2点をしっかりやれば、夢はかなうはずです。
一度きりの人生は自分のための人生でもあります。
ご自分の進みたい道ならば、信念をもって踏み出しましょう。
私は、そんな社会人の方を全力で応援します。
満点続出!数学で満点を取る方法
これからの医学部入試は数学で決まる。
昔からそういわれてきたが、それはさらに顕著になるであろう。
だから、数学で満点を取る対策を行えば、少なくとも、医学部1次試験には合格する。
そんなの大変じゃないか?
と、突っ込みを入れたあなた!
数学は奥が深く難しいが、入試数学は対策さえ間違えなければ満点は可能なのである!
実際に、私が以前受験アドバイザーをしていた予備校で、ある先生の生徒たちに限って、いくつもの医学部の入試数学で満点が続出していた。
他の先生たちはこの事実をただ、「よく勉強した!」と受けとめるだけだったが、実はこれは決められた作業に基づく必然的結果なのである。
私たちは入試問題の研究をライフワークとしているが、その際には、受ける立場からだけでなく、問題を作成し採点し合否を振り分けるという立場からも見ることにしている。
違う立場から入試問題を見る
入試を受ける立場(受験生)からの見方はこうだ。
数学入試問題の多くは無尽蔵に作れ難しい。模試で点数が取れても入試本番では歯が立たない。
数学の奥の深さと言ったら一生勉強しても足りないくらいだろう。高校の授業で勉強したものを受験につなげるにはハードルが高すぎる。
このことを共感していただけた人は少なくないだろう。
私自身も高校時代、このように感じていた
“数学、物理も簡単だ”なんて言える人は、頭がよ過ぎるかも知れない。
その上、数学が面白過ぎて堪らないと感じているなら、医学部も悪くはないが、数学科や物理学科をおススメしたい。
このあとはみなさんが普段見ている視点とは違う角度である、
問題を作成し採点し合否を振り分けるという立場から
高校や予備校の授業で幾ら数学を勉強しても、それらの点と点は授業の中ではつながるが、入試の点と点とは線ではつなげることができない。“数学の問題は無尽蔵に作れている”そう思っている
受験生が多い。
実際には、高校の学習指導要領をベースにした数学の問題はそれほど多くは作れない。
幾らでも問題を生み出されているように見えてしまう原因は、問題文の書き方に大きく依存している。
実際に入試問題の多くは、
・類似問題の繰り返し
・同じ問題が幾つかの大学で出題
・単に数字を入れ替えただけ
というものが多い。
理由として、
・新作問題は大変な努力が必要
・問題作成ミスのリスクが高い
・受験生の正答率が読めない
・採点基準が行き当たりばったりになると予想される。
だから、安心して出題できる頻出問題かその類似問題を使うのである。
入試数学の満点は可能
“入試数学は対策さえ間違えなければ満点は可能” なのである!
それには、以下の方法がある。
- 多くの大学では、数学の出題傾向は決まっている。それを数学と医学部に精通したプロが対策をすれば、そのグループの大学では、1年間の勉強で数学満点が狙える。
- 難問が続出する大学では、大学別に難問対策が行える。これはそれほど難しくなく、対策を行うと、難問がサービス問題のように簡単になる。
- ミスをしにくい解法を身に着ける。
⇒詳しくは「学院長のブログ」をご覧ください。
これらを四谷メディカルで1年間真面目にやれば、満点が狙えるはずである。
「2.3.」に関して、具体例をあげてみよう。
問題:赤玉k個、白玉k個を円形に並べる方法の総数をNkとおく。但し、回転で一致する並べ方は同じものとする。N2, N4, N6を求めよ。
これは2018年に実際に出題された、慶應大・医学部入試の数学問題である。
この問題は、一般的には「捨て問」であろう。
何故なら、この問題、数学の得意な受験生でも、解答に40分以上はかかる。
こんな問題に関わっていてはいけない。
「捨て問」であることを瞬時に見分けて、他の問題に移れ!と教、予備校では教わるはずである。
ところが、この問題、
『バーンサイドの定理』というものを使うと、5分もあれば解ける。
おまけに、数学の秀才が40分もかけて解いても、
ケアレスミスの可能性が高いが、簡単に解けるバーンサイドの定理を使うと、ミスが防げるのである。
こうした解法は高校では教えてくれないし、予備校でもまず教えないだろう。でも、とても簡単であり、高校で学ぶ数学のように膨大な量はない。「捨て問」といわれる問題の多くはこうした解法をせいぜい30種類ほど知れば足りてしまう。
つまり、数学満点なのである。