医学部に編入するには?条件や方法を紹介

仮面浪人の方や社会人の方であれば、医学部を目指すに当たって、「編入する」という選択肢があるでしょう。結論から言えば、医学部に編入することは可能ですが、そのためには条件や時期など、制限があります。

一般入学にするか、編入するかの参考になるよう、医学部に編入する条件や方法をご紹介します。

医学部に編入することはできるのか

医学部であっても編入することはできる

医学部も他の学部と同様に編入することができます。もちろん、どんな大学でもというわけではなく、編入学試験を実施している大学に限られます。一部私立でも独自に実施している場合がありますが、主に国公立大学と考えていいでしょう。

編入制度が実施されている国公立大学27校/私立大学3校

倍率はおおよそ10~15程度の狭き門

定員数がそもそも少ないため、倍率は高い傾向にあります。編入の定員数は5名の大学がほとんどで、一番定員数の多い弘前大学でも20名のみとなり、狭き門です。
倍率は2020年実績で6.2~42.8と高倍率です。福井大学がこの年に42.8という高倍率でしたが、全体で見ると10~15程度と言えます。
私立医学部の一般入試では20~30の倍率は当たり前なので、それと比較すると大した数字ではありませんが、狭き門であることは間違いないでしょう。

医学部編入の大まかな流れ

医学部に編入するまでには、以下の手順で進んでいきます。
1.募集要項の取得(郵送での請求)
2.出願書類の準備と提出(入学願書・志望理由書・推薦書・卒業(見込)証明書・成績証明書・検定料・写真票・受験票・TOEIC/TOEFLスコアシート)
3.書類選考を通過 ※一部大学
4.学力選考を通過
5.面接・小論文選考を通過
6.入学手続き(入学料納付)
7.入学(オリエンテーションなどある場合も)

試験時期や編入時期に注意

一般試験と異なり、編入試験は大学によって実施日が異なります。必ず志望校のサイト等で確認をしましょう。募集要項にも記載されていますので、必ず取り寄せるようにしましょう。
また、編入は基本的に2年次編入になりますが、タイミングや手続きに違いがある場合があります。必ず事前に確認しましょう。

受験するには、4~6年制大学卒業者であることが基本条件

医学部への編入は基本的に「学士編入試験」が基本となります。そのため「編入学試験」とは条件が異なり、受験できる人が絞られます。

「学士編入試験」と「編入学試験」の違い

ざっくり説明すると、下記の違いがあります。
学士編入試験:4年制、または6年制大学を卒業した人が対象
編入学試験:短期大学もしくは高等専門学校の卒業者、大学第2学年の課程修了者などが対象

学士編入試験が多い医学部編入では、選択肢の多さを考えても4年制大学を卒業している必要があると考えていいでしょう。

一部は4年制卒業していなくても受験できる

群馬大学、筑波大学、大分大学は修業年限4年以上の大学において2年以上の在学者(見込みの者を含む)で、指定の単位を修得した者も出願可能です。
東海大学は短期大学、高等専門学校を卒業した者・見込みの者、専修学校の専門課程のうち文部科学大臣の定める基準を満たすのものを修了した者・見込みの者も受験可能です。
詳細の条件は各校異なるので、必ず募集要項を確認してください。

その他、特に条件はなく、誰でも受験可能

医学部医学科をすでに卒業していたり、在学中の方は受験できないという条件はありますが、そのほかの受験要件はなく、誰でも出願可能です。

入試の内容や時期に注意が必要

現在、国立大と私立大を合わせて30の大学の医学部が編入試験を実施していますが、それぞれ入学時期など試験制度変更がある可能性があるので注意が必要です。
一般入試と試験科目も異なります。しっかり確認してください。

筆記試験科目は「生命科学+英語+α」が基本

すでに大学を卒業した人たちを対象にした学士編入試験のため、高校の科目よりも高度な知識と考察力を要求されます。
大まかに分けて、試験科目のパターンは3つに分かれます。
生命科学+英語
生命科学+英語+物理+化学+数学
英語重視
どの大学も求める学力の軸は共通しており、「入学後の生理学や形態学をスムーズに理解できるか」「基礎学力があり、優秀か」という2点を問う内容になっています。

面接と小論文があり、比重が重い

ほとんどの編入学試験で面接と小論文があり、共通してこれが重視されています。
これは医師という職業が人に接する職業で、価値観やコミュニケーションが重要な職業であるためです。
編入試験は「医師になる転職活動」と考えて、試験勉強だけではなく、考え方や価値観の整理を忘れずに行いましょう。

一般入試と編入試験、どちらを選ぶべきか


ここまで編入試験の概要を説明しましたが、医学部に入る方法には当然「一般入試で合格する」という手段も存在します。どちらを選ぶ方が合格に近づくのか悩むと思います。

私立大学医学部を目指すなら一般入試

そもそもほとんどの私立大学の医学部は編入制度を実施していないというのが理由ですが、私立の医学部を目指す場合は一般入試のみ対策して受験する方が合格率が高まるでしょう。
私立医学部を目指すなら、私立医学部併願で、複数校対策する方が確実です。

国公立医学部を目指すなら、得意科目で検討する

正直なところ、一般入試と編入試験、どちらのが有利かは断言できません。
一般入試は数学、英語、理科2科目に加え、共通テストで9割程度の得点を取る必要があり、幅広く高水準の学力が求められます。
編入試験は科目数こそ少ないですが、「生命科学」を独学するのは現実的ではありません。
編入は生命科学と英語、一般はセンター文系科目や数学や化学と、重要科目が全く異なるので、自分が高水準で勝負できる方で対策をするのがいいと思います。

「生命科学」に初めて触れる方は医学部専門予備校に頼るのがいいでしょう。初めて触れる学問を独学でこなすのは時間的に無駄が多くなってしまいます。

両方対策するのは効率低下

前述のように、対策する科目が全く違うため、併願はおすすめできません。
過去問等で情報収集して、どちらで進むかきめたら、その試験の対策のみに絞るほうが合格の可能性は高くなると考えられます。

編入試験では面接や小論文の対策がとても重要

人の命を預かる仕事に繋がるからこそ、面接が重要視されています

医学部の先にある、「医療従事者」は命に係わる仕事。責任や期待が大きい職業へ進む大学だからこそ、大学側はそれに足る人材を欲しがっています。
医学関連の知識はもちろんのこと、興味関心や考え方を確認されます。

小論文や面接の対策は難しい

小論文や面接は答えがないため、準備が大変難しいです。
読書をして知見を広めたり、想定質問をまとめて回答を考えておいたりとやりようはありますが、基本的には第三者に頼るのがいいでしょう。
面接対策に対応してくれる医学部専門予備校を頼って、面接対策だけでもしてもらうのが一番の近道です。

まとめ

医学部に進学する選択肢として編入試験がありますが、これは4~6年制大学卒業者の選択肢になります。大卒の方でも、得意科目によっては一般入試の方がいい場合があるので、どちらも検討してみてください。ただし、一般と編入試験どちらも受験するのは、幅広い対策が必要になるため効率が下がることに注意しましょう。
編入試験において重要な面接や小論文に不安のある方、生命科学の勉強に不安のある方は、自力での対策はとても難しいので、医学部予備校を利用するべきです。

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