医学部受験で小論文・面接試験が課される「真」の理由⑩

近距離の鉄道での移動の重要性

前回は書籍形態の時刻表を携えた鉄ヲタを礼賛するのみの話に終始したという謗りを読者の皆様から受ける事があろうともそれも一面の真理なので否定はしない事としよう。しかしそれよりも重大な問題は全国を股に掛け次の試験場へと馳せ参じようとする医学部受験生にとって、近距離の鉄道での移動がどれだけの重要性を持っているのかという点であるかもしれない。狭い日本等と揶揄される様になって久しいが、日本国内と言えども長距離の移動であれば飛行機や新幹線等の特急列車での移動が主な交通手段となる事は紛れもない事実であろう。しかし試験場までの交通手段が飛行機や特急列車のみであるというケースも実際には滅多にないと考えられる。この様に言われた時に挙げ足取りが大好きだった幼少の頃の私であれば「成程どこの試験を受けるにしても交通手段には間違いなく徒歩も必要だね」と始まりそうである。確かに雪深い北国の医学部(具体的に何処なのか知りたい方は四谷メディカルへお問い合わせください)であれば、あと数分歩けば文字通りの試験会場に辿り着くという段階で気象条件によっては遭難しそうになる事もあり、まだまだサバイバルが続くといった事態に陥る事も珍しくないと言われているので、幼少の私の指摘も意外と的を射ているのかもしれないが、皆さんが北国の医学部を受験する訳ではなく、特に私立医学部に絞ると国内の高緯度帯での試験実施は比較的少ないので、やはりお子様には眠っていてもらう事にして本題に入りたいと思う。

近距離移動での時間削減がものを言う

特定の目的地へ向かう飛行機や特急列車が山手線宜しく3分おきに来る様な事は決してない。それどころか目的地によっては2〜3時間程度の間隔があったり、特に飛行機については1日に1便のみであったりする事さえある。これでは如何に時刻表を有効に活用したとしても、目的地に早く辿り着く事等決して出来ないのではないかと思うかもしれないが、この様に便数の少ない交通機関への依存度が大きい旅こそ、近距離移動での時間削減がものを言うのである。皆さんは検索サイトの提案通りに移動したつもりが思いがけず目的地に早く到着したという経験はないだろうか? 旅慣れない人であればこの様な結果に対して首を傾げはするだろうが、時間が浮いた事をラッキーだと思うのみで、特に原因を追求しようとは思わないかもしれない。

目的地に早く到着する理由

しかし理由は比較的簡単で、検索サイトでは乗り換えに必要な時間がかなり長めに取ってあり、若い皆さんの足であれば検索サイトが提案する列車よりも出発時間が早い列車に乗り換えられる事がしばしばあるからである。勿論サイトによっては乗り換え時に「せかせか歩く」モードを選択出来る様になっていたりもするが、そのモードであってもやはりサイトの提案する列車よりも早い列車に乗り換えられる事が珍しくない様に感じる。そしてこの様な乗り換え時に浮く時間は1回あたり5〜10分程度にはなるので、便数の多い都市部で何回も乗り換えがある場合、目的地に到着するのが30分程度、場合によっては1時間近く早くなる事も、奇蹟でも偶然でもなく、十分に再現性のある乗車方法であると言える。ではどの様にすれば検索サイトを超える結果を意のままに導き出す事が出来るのであろうか?

検索サイトを超える結果を導き出すには

単に検索サイトをブラウザに複数出しておいて、サイトの提案する乗り換え列車よりも早い時間に出発する、乗り換えが可能な列車がないかどうかを都度確認していけば良いのである。もっとも乗り換えに要する時間は個人差があるのは勿論、駅の規模によっても大きく異なる事は想像に難くないので、現在はネットで容易に見る事が出来る、乗り換え駅の案内図も確認しながら調べていくのが理想的であると言える。駅の案内図を確認していくとJR御茶ノ水駅の様に、異なる路線が同じホームで発着するケースも意外とある事が分かるであろうが、この様な駅であれば理論上乗り換え時間0分も達成可能なので、乗り換えに要する時間の短縮には大いに活用したい所である。この様にして近距離での移動時間を切り詰めて、検索サイトの提案する通りに動いていたのでは決して乗れない飛行機や特急列車に乗り込み、結果として数時間程度の時間的余裕を生み出して悠々と試験会場入りを果たして欲しい所ではあるが、乗り換えには十分に注意し、決して無理はしない様にして欲しい。「このコラム自体が無理の薦めそのものではないか」という冷静な突っ込みもあろうが、自分にも周囲にも迷惑を掛けないギリギリの線を達成する為には綿密な下調べこそが不可欠である事を読者の皆様に学び取ってもらえれば望外の喜びである。一方で下調べばかりに終始し、何も実行しないと幼少期の私の様な小賢しいだけの餓鬼になってしまう事もまた反面教師的に学び取ってもらえれば更に幸いである。(続く)

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